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(ピクチャー盤スリーブ) レコードの誕生以来、内袋や外袋は「保護材」として、脇役的に扱われてきました。 初期の内袋は紙で、湿気やその紙屑粉で溝にゴミや小さな虫の死骸までもが入ることもあり、特に、レコードにスプレーをかけた後に完全に乾かないうちにスリーブにしまわれることが多かったために、溝に不要なものが多く入り込み易くなり、溝が命のレコード保護とはほど遠いものでした。(レコードスプレーメーカーの使用方法の注意喚起不足も否めません) そして、紙に代わってビニールが採用され始めましたが、そのHDPE(ハイデンシティポリエチレン)は、静電気対策がされていないため、紙スリーブのように湿気は吸わないものの、今度は静電気で小さなホコリを外部から集めてしまっていました。 やがて、静電気対策のビニールが加わることになりますが、一方で、1980年代にはピクチャー盤のアートを綺麗に見せるための透明度の高いPVC製スリーブが普及。 長期保管や高温多湿といった条件下では、これが盤面に悪影響を及ぼすことが、後になって分かってきました。 これは、PVC製のスリーブに含まれている可塑剤(軟度をアップさせる)と、レコード側の可塑剤が干渉してしまい、ピクチャー盤の盤面デザインを変色させたり、音の劣化の原因にもなります。いわゆる「ビニ焼け」として現在は広く認知されています。 しかし、それが分かっていながら、今でもレコードショップのピクチャー盤は、PVC製のスリーブに入った状態で販売されており、透明度の高さによる売れやすさや、オリジナル個装に近い形での販売が優先されています。購入後はすぐにPVCスリーブから盤を取り出して、可塑剤を含まないスリーブに一刻も早く入れ替えることが必要であるという注意喚起が徹底されていない現実もあります。 そこで、透明度が高く、静電気が発生しにくく、かつ、可塑剤フリーの材料でスリーブを作れたなら、人類の貴重な文化的資産の一つであるピクチャー盤の保護に貢献できると確信し、従来のスリーブ価格よりも桁違いでコスト高になることを承知のうえで、開発・製造したスリーブが、この「Picvinyl Inner 」です。 ・・・"VinylTips"(造語)は、本サイトにおける豆知識コーナーのタイトル名です 20250908 |
![]() 12インチ ピクチャー盤専用インナースリーブ PicVinyl series 2025年9月12日発売 |
![]() 7インチ ピクチャー盤専用インナースリーブ PicVinyl series 2025年10月1日発売 |
(レコードのサイズには理由がある) - 12インチ・7インチ・10インチ 「レコード」と一口に言っても、12インチ・10インチ・7インチの3種類があります。 どれが先に生まれたのか、なぜその大きさなのか? このサイズの違いには、録音技術と音楽の楽しみ方の進化が深く関係しています。 はじまりは「10インチ」から 1900年代初頭のSP盤時代、最も一般的だったのは10インチ盤(約25cm)でした。 1面に約3〜4分の録音が可能で、ちょうど1曲が収まる長さ。 オペラやクラシック向けにもう少し長く録音したい場合に、12インチSP盤が登場します。 つまり「12インチ」はもともと“長時間録音用”として生まれたのです。 LP時代に「12インチ」と「7インチ」が分かれた 1948年、コロンビア社が33⅓回転・12インチLP(Long Play)を発表。 片面約20〜25分録音でき、アルバムの形で音楽を楽しむスタイルを確立しました。 一方、翌1949年にRCAビクターが発表したのが7インチ・45回転シングル盤。 1曲3〜4分の録音に最適で、ジュークボックスやポップス市場にピッタリでした。 こうして「12インチ=アルバム」「7インチ=シングル」という棲み分けが生まれます。 一時代を築いた「10インチLP」 LP初期には、10インチLP(33⅓回転)も存在しました。 片面約12〜15分で、短めのクラシックやジャズアルバムに採用されましたが、 やがて12インチに統一されて姿を消します。 ただし1970年代末からは、アート性の高い10インチピクチャー盤やEPとして再登場。 現在ではコレクターズアイテムとして人気を保っています。 サイズに込められた「用途」の違い
どのサイズにも、「音楽をどう楽しむか」という時代の思想が反映されています。 つまり、、、 ●最初は10インチ(SP盤時代) ●長時間録音を求めて12インチLPへ ●シングル曲中心の7インチが誕生 レコードのサイズは「音楽の楽しみ方の変化の記録」でもあるのです。 #20251102 |
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